Windturbine HERO Surveying Image

大規模な調査ミッション:風力発電所へのアクセス道路

広大な風力発電所をメンテナンスするには、安定した信頼性の高いアクセス道路が必要です。そのため、アクセス道路を建設する際には、綿密な事前調査を行います。

風力発電用の風車の下に立ったことはありますか?風車の支柱は驚くほど高く、世界最大級の風車では高さ240メートル を超えます。 多くの国々が持続可能でない化石燃料の使用を削減し、風力を活用するべく風車の建設に力を入れています。ノルウェーでは 電力の98% を再生可能エネルギーでまかなっています。特に風力発電はよく使用されており、陸上でも海上でも風力発電所の建設が進められています。

ノルウェーを拠点とする企業のBiodrone社 は、ドローンによる調査サービスとマッピングサービスを北欧全域で展開しています。Biodrone社の一般的な業務内容は、道路などのインフラのマッピング、農地への散布、森林調査などです。ダムや風車の点検を手掛けてきたBiodrone社にとって、再生可能エネルギーのインフラ点検は未知の分野ではなく、風車についたつららが落ちるときに風車からどれほど離れた場所まで届くのかという調査を実施したこともありました。その調査では、つららの到達距離は最大200メートルにまで達することがわかりました。

Biodrone black car with wind turbines in background
Biodrone社のチームはこのプロジェクトで発電所内を忙しく走り回ることになりました

2020年9月、Biodrone社はNærøysund Entreprenør社の依頼を受け、風力発電所をドローンで調査し、発電所内のアクセス道路の完成状況を記録することになりました。Nærøysund Entreprenør社は風力発電所内の道路建設を完了していましたが、完成した道路が設計図のとおりに建設されていることを確認する必要がありました。このアクセス道路は風力発電所のメンテナンスに欠かせないものです。風車が破損した場合、風車専門の技術者に依頼してできるだけ早く修復する必要がありますが、それには技術者だけでなく安全管理者や検査官も現地に容易に近付けるようにしておく必要があります。ドローンマッピングは、風力発電所が始動して電力を生成する前に道路が問題なく建設されていることをチェックするために役立ちました。風力発電所の調査にドローンを使用すると時間を節約できますが、ドローンが衝突する恐れがある構造物が多数存在することから困難も伴います。

プロジェクト詳細

場所Nærøysund、Hundhammerfjellet(ノルウェー)
ユーザーBiodrone社
対象エリア2.6 平方キロメートル(490エーカー)
画像撮影枚数1,245枚
ソフトウェアPix4Dmatic
ハードウェアDJI Phantom 4 RTK
処理時間2 時間
地上解像度(GSD)3.87 cm/px

Planning a challenging flight path

風力発電所とその周辺の土地の調査プロセスは、複雑なものになります。対象地域を安全に調査し、高精度のアウトプットを得るという目標を達成するには、難度の高い飛行プラン が必要になることをチームは認識していました。まず、発電所内で風車の上空を飛行する際に170メートルの高度で飛行するための特別な認可を取得しました。ノルウェーにおけるドローンの上限飛行高度である120メートルを超える高さになりますが、Biodrone社の作業の性質が考慮されて特別に制限が免除されることになりました。さらにNOTAM(航空情報)を発行し、付近を飛行するパイロットにドローンへの注意を呼びかけました。驚くべきことに、当日の風は弱く、これは風力発電所では珍しいことです。そのため、予測不能な気流によってドローンがコースを外れることもなく、順調に飛行させることができました。

風車の上空での飛行が終わると、チームは風車の支柱の合間をドローンで飛行させました。時間は掛かる作業ですが、このプロジェクトに必要なデータを収集するには欠かせないものでした。120メートルを超える高高度から撮影すると、地面までの距離が遠くなるという問題が生じます。クライアントのニーズを満たすには、地上解像度(GSD) を小さくする必要がありました。そのため、風車の上空と間を飛行させる作業は欠かせませんでした。これによって、全体のGSDをピクセルあたり3.87cmにすることができました。

Orthomosaic overlaid onto google maps showing corridor of wind farm
風力発電所の構成から、コリドー型のデータ収集ミッションとなった

ドローンが風車のタービンブレードに衝突する危険があるのは明らかです。ドローンをパイロットの目視範囲内(VLOS)に保つことで、安全に飛行できるようにしました。

ドローンが風車のタービンブレードに衝突する危険があるのは明らかです。ドローンをパイロットの目視範囲内(VLOS)に保つことで、安全に飛行できるようにしました。2.6平方キロメートルという広大な敷地を調査するため、収集されるデータの量は膨大です。1回の飛行で100枚以上の画像が撮影されました。そのため、処理段階では強力なソフトウェアが必要になりました。選ばれたソリューションは、Pix4Dmaticでした。大規模マッピングに特化したPix4Dmaticは、大規模なプロジェクトも一気に処理 できます。1,245枚の画像とRTK/PPKデータをインポートし、処理するためにかかった時間は、わずか2時間でした。結果として得られたオルソモザイクと点群は、風力発電所の所有者と契約しているサードパーティのコンサルタントに提供されました。

Point cloud in Pix4Dmatic of the wind farm
Pix4Dmatic による最終的な点群アウトプット

再生可能エネルギーへの移行

ドローン調査は再生可能エネルギーの需要に対応する形で発展してきましたが、エネルギー産業では従来から取り入れられてきました。化石燃料の需要が減った後に残される広大なインフラ施設は、再開発のために調査 が必要になります。風力発電所は世界中で建設が進められています。特に、ドローンを活用すると巨大な風車に長い時間掛けて登る必要がなくなり、技術者の負担軽減につながることから、ドローン調査は今後さらに一般化すると予想されます。同様にドローンを活用したワークフローは、携帯電話基地局の鉄塔の点検 でも行われており、高い構造物の検査におけるドローンの有効性が実証されています。

「巨大なデータセットを扱うことになった弊社にとって、Pix4Dmaticは救世主のようなツールとなりました。」- Biodrone社、Atilla Haugen氏

Biodrone社はドローンとPix4Dmaticを使用することで、風力発電所のアクセス道路を従来よりも短期間で調査し、求められていた精度も達成できました。ドローン調査は幅広い再生可能エネルギープロジェクトに導入され、普及しつつあります。そんな中、Biodrone社のような企業はドローン調査が利便性だけでなく、作業の簡易化にも役立つことを実証しています。

この風力発電所の点群 をこちらでご覧ください。


これまでにない規模のフォトグラメトリー
新たな次元へ

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