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Hummingbird TechnologiesのプラットフォームへのPix4Dengineの統合

Hummingbird Technologiesはデータ分析プラットフォームにPix4Dengineをシームレスに統合することで、3か月間でリリース可能な状態に仕上げることができました。

イギリスにおけるHummingbird TechnologiesとPix4Dengineを使用した高度な分析の活用

開発を急ピッチで進めて、Hummingbirdをデータ分析プラットフォームとしてリリースできたのは、RAW画像データをクラウド処理する Pix4Dengine を3か月足らずでシームレスに統合できたからでした。

Hummingbird Technologiesは、2016年8月にソフトウェアプラットフォームの開発を開始し、2017年3月のリリースを目指していました。このソフトウェアの主な目的は、UAV(無人航空機)で撮影したマルチスペクトル画像とRGB画像を、特定のタイミングで自動的にアップロード、処理、表示できるプロセスを実現することです。このソリューションは、イギリスで春作物の作付けが行われ、冬越しの作物が再び成長を始める2017年3月初めまでに稼働させる必要がありました。

Pix4DengineをHummingbirdのワークフローにシームレスに統合

Hummingbirdの構想と開発を進める中で、分析用の画像の処理と正射投影化を行うための写真測量エンジンが必要になりました。そこで採用されたのが、Pix4Dのソフトウェアでした。

このプロジェクトの第一の目的は、データをPix4Dengineに渡す前に、大量の画像データをスムーズにアップロードして保存し、事前処理を行えるよう、Pix4Dを軸としたソフトウェアインフラストラクチャを構築することでした。

Pix4D Hummingbird RGB Terrain
Pix4Dengineで生成したオルソモザイク(左)と起伏陰影DSM(右)。

主なメリットの1つは、Pix4Dを利用して写真測量プロセスを3つの段階に分けることにより、各段階の最後にエラー報告、統計、品質保証を行えるようになったことです。これにより、早い段階で問題が発生した場合はそれ以上の処理を行う前に対処し、フラグを付けることができます。また、可能な限り最高の結果が得られるように処理設定を調整することも可能になりました。

senseFly eBeeとParrot Sequoiaを使用したデータ収集

2017年の春から夏までの生育期を通して、Hummingbirdは15,000ヘクタール以上のイギリスの優良耕作地のデータを10回にわたり収集しました。その範囲は延べ100,000ヘクタールを超えます。さまざまなサイズのデータセットが収集されました。Parrot Sequoiaマルチスペクトルカメラを搭載したsenseFly eBee SQプラットフォームでは、約500枚から3,000枚以上のマルチスペクトル画像を撮影しました。高解像度RGBカメラで撮影された画像からもデータセットが収集されています。もちろん、すべてPix4Dのソフトウェアで処理されました。

Pix4D Hummingbird eBee launch 2
senseFly eBee の離陸

機械学習の農業への活用

Pix4D Hummingbird-yellow-rust-map
分析の例:黄さび病の分類マップ

Pix4Dのソフトウェアによる処理が完了すると、具体的な問題に取り組む農場経営者や農学者を支援するために、特殊な機械学習機能を追加しました。農業技術の発展に伴い、作物や植物の病気も進化しており、農家の生産性に大きな問題をもたらしています。病気への対策は存在するものの、多額のコストがかかることが多く、環境や消費者に危険を及ぼすこともあります。

農業分野で機械学習を利用することには、植物の育種、水の保全、リアルタイムの予測まで、多くのメリットがあります。Hummingbirdは実用的なアルゴリズムと機械学習技術を使用して隠れたパターンを読み解くことで、より正確な診断と的確な対策を顧客に提供しています。

24時間以内に高度な分析を生成

現場でキャプチャしたデータは、Hummingbirdのクラウドプラットフォームにアップロードされ、Pix4Dengineで処理されます。そしてHummingbirdの分析レイヤーで分析され、最終的にWebプラットフォームを介して顧客に提供されます。

Pix4Dengineは、HummingbirdのSaaSワークフローの中で、フォトグラメトリ―の補正に継続的に使用されています。過去6か月間に、7,000個以上のオルソモザイクとそれに対応するDSM(デジタルサーフェスモデル)が処理されました。

分析関連製品は、主な植生の指数マップ、窒素含有量の特定、窒素施用マップの作成、さらに機械学習を使用したノスズメノテッポウの分布マップや作物病害の分布マップの作成などに対応します。いずれもイギリスの農家が抱える問題に取り組むことに重点を置いています。データの取得から、マップの可視化、ユーザー用の分析情報の生成まで、24時間以内で実施することができました。

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分析関連製品の例:ノスズメノテッポウの処理結果

「Hummingbird Technologiesでは、Pix4DのエンタープライズソリューションであるPix4Dengineを導入したことにより、既存のソフトウェアアーキテクチャをオーバーエンジニアリングすることなく、信頼性および拡張性に優れた方法で、何十万個もの画像を短時間で処理できるようになりました。」 Hummingbird Technologies、最高技術責任者、Gordon Skinner氏

スピードとスケール化のニーズ

Pix4Dには、Parrot Sequoiaセンサーで得られた画像のラジオメトリックキャリブレーションパネルを自動検出する機能があります。また、一面に作物が実った農地のように、途切れなく続く均質なサーフェスを処理するための処理オプションも用意されています。それにより、Hummingbird Technologiesは比較的単調な対象領域についても、高品質な画像データを得ることができました。このことは、特に農地の細かな違いや詳細を調べるときに重要となりました。

Pix4Dengineは、コマンドラインインターフェイスを使って完全な写真測量ワークフローを実行できる唯一のスケーラブルなエンドツーエンドのソリューションであり、完全に自動化されたデータ処理ワークフローを実現できるほか、ステップごとのレポートやログファイルによる広範な品質保証機能を備えています。

Pix4Dengineを使用することで、同時に複数のインスタンスを実行し、多くのデータセットを一度に並列処理できました。Pix4Dengineがなければ、このプラットフォームでこれほど迅速に画像を顧客に提供することは不可能でした。

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謝辞

この事例のストーリーをご共有頂きましたHummingbirdのチームに感謝申し上げます。

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