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【ユーザーが検証】PIX4Dcatchによる橋台基礎工の出来形計測

PIX4Dcatchはモバイル三次元計測技術として、出来形管理に利用できるのでしょうか?

徳島県に拠点を置く株式会社あいコンサルタントは、佐々木建設株式会社(徳島県阿波市)からの依頼を受けて、橋台基礎工(場所打ち杭)の出来形管理計測を実施しました。

この現場は、通常の据え置き型測器での計測が非効率な環境にありました。そこで、機動性に優れるモバイル計測技術PIX4Dcatchを用いることでこの課題をどのくらい解決できるのか、実証実験を行いました。

実証結果について、株式会社あいコンサルタントの代表取締役の喜来様にお話を伺いました。

この事例のポイント:

  • 据え置き型測器での計測が非効率な現場で、モバイル計測技術PIX4Dcatchを駆使して出来形管理計測を実施
  • PIX4Dcatchを使用することで、求められる計測精度を確保しつつ、効率的な出来形管理計測を実施することに成功
  • 他社のモバイル計測技術と比較しても、PIX4Dcatchの成果物は再現性や精度に優れていた

背景と検証内容

工事現場は、背面は山の斜面、前面は用水路に囲まれており、レーザースキャナー等の設置スペースに制約が多く、杭頭鉄筋が死角になり計測の障害となるため、据え置き型測器での計測が非効率な環境でした。

この課題に対処するため、PIX4Dcatchを利用した出来形計測を利用して歩きながらデータを取得しました。比較対象として従来管理技術とLiDARデータのみで三次元化を行う他社モバイル計測アプリも利用し、以下の3つの方法で 基準高偏心量杭径 の3つの要素に焦点を当てて比較をしました。

  1. 従来管理方法
  2. PIX4Dcatch
  3. LiDARのみを使った他社のモバイル計測アプリ
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橋台は山の斜面や用水路に囲まれており、レーザースキャナーの設置スペースに制約が多かった。

PIX4Dcatchによる検証:

対象は橋台の杭18本で、約8.8mx16.1mの領域を3回に分けて撮影しました。PIX4Dcatchと他社アプリを使用して、それぞれデータを収集しました。

PIX4Dcatchで収集したデータは、PIX4Dmaticで解析処理を行い、画像とLiDARデータから生成された点群を統合し、密度の高い点群を生成しました。

今回はviDoc RTK roverを使用せず、PIX4Dcatchのみを使用しました。 事前にTSで計測した評定点を使用して座標変換を行い、点群の位置合わせをしました。

なお、比較対象の他社モバイル計測アプリのデータは、アプリ内で直接点群を出力しました。

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スキャンを実施した範囲。赤枠・青枠・緑枠の通り、3つのエリアに分けてスキャンを行った。

プロジェクトの詳細

利用アプリ・ソフトウェアPIX4Dcatch
PIX4Dmatic
利用ハードウェアiPad Pro 2020 11 インチ Wi-Fi 128GB
撮影面積全体で135.24m2 (3つのエリアに分けて撮影)
撮影画像枚数エリア 1: 2,427
エリア 2: 2,699
エリアArea 3: 1,842

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スキャンをした実際の杭(左)とPIX4Dcatchにより生成された杭(右)

検証結果

モバイル計測技術PIX4Dcatchを利用することで、レーザースキャナー等の設置スペースに制約が多く、杭頭鉄筋が死角になり計測の障害となるという不利な条件を克服することができました。

計測精度において、PIX4Dcatchで取得した結果は基準高、偏心量、杭径のいずれも出来形管理基準に定められた規格値を満足していることが確認できました。

基準高: 設計値との誤差±50mm以内 偏心量: 100mm以内 杭径: 設計値-30mm以上

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従来管理値とPIX4Dcatchによる3次元計測技術管理値の比較結果(杭径)

さらに、現場でのデータ取得作業の時間が大幅に短縮され、生産性も向上しました。

従来管理方法では、2人がかりで約7時間(管理図作成含む)かかっていた作業が、モバイル計測技術を使用することで、1人で約5分×3回=合計15分程度で計測は完了できました。 出来形管理値の算出は、PIX4Dcatchと他社モバイル計測アプリで それぞれ約2時間を要しましたが、高密度な点群を活用することで半自動的に管理値の算出が可能なため、感覚や経験の差による結果の個人差も防ぐメリットがありました。

PIX4Dmaticでは、画像データの処理に時間がかかることがありますが、解析用のPCの性能を向上させることで改善が期待できます。 また、自動的に複数のプロジェクトを解析できるため、別の作業と並行して、もしくは夜間に解析を行うことも可能です。

今回はPIX4Dcatchのみを使用したため、座標変換の手間がかかりましたが、viDoc RTK roverなどの現場で位置情報が取得できれば、作業時間はさらに短縮が出来たと思います。

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従来管理とPIX4Dcatchでの計測時間の比較。viDoc RTK roverを使えば、PIX4Dcatchでの作業時間はさらに短縮できる可能性が高い。

他社モバイル計測アプリとの比較

モバイル計測技術同士の比較でも、LiDARと画像の両データを使っているPIX4Dcatchは非常に優れており、エッジまでクリアに再現されていました。鉄筋まで正確に点群化されていることに驚きました。

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左がLiDARのみを利用した他社モバイル計測アプリにより生成された点群。右がPIX4Dcatchで生成された点群。

現場の検証点を使用して座標間較差も確認しましたが、PIX4Dcatchは X Y Zと計測密度のすべての要件に合致し、出来形管理要領で規定された計測精度を満たしていました。

実証後の反響

PIX4Dcatchにより従来管理値とほぼ同等の結果が得られたということを新技術精度検証報告書としてまとめたところ、施主の佐々木建設株式会社にも大変好評で、創意工夫の取り組みとして国土交通省にこの報告書を提出して頂き、現場講習会等の様々な機会で今回の取り組みを広く紹介頂きました。

最終的にこの実証を含む多くの取り組みが高く評価され、当該現場の施工は令和5年度の安全工事、監理技術者は優秀建設技術者として徳島河川国道事務所から推薦を受け、四国地方整備局長から表彰されました。

PIX4Dcatchは正確な点群モデルを作成できる地上写真測量のツールとして、とても可能性を感じており、今回取り組んだ基礎工以外でも現場の課題解決のチャレンジに活用したいと思っています。

インタビューにご協力いただきました株式会社あいコンサルタント様に御礼申し上げます。ありがとうございました。 また記事作成にあたりご協力いただきましたプレミアムリセーラーの株式会社イメージワン様、並びにジオサーフ株式会社様株式会社ジツタ様にも感謝申し上げます。

お客様について

株式会社 あいコンサルタント ・事業内容:ICT活用工事、BIM/CIM活用工事での3次元設計データ及びBIM/CIMモデル等の作成、設計データ活用や新技術活用のアドバイス等。 ・URL: https://www.facebook.com/aicon.CIM


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